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気管支喘息(ぜんそく)とは?
■主な症状 呼吸のときにゼーゼーと音がする。呼吸が苦しい
■発症しやすい月齢 1才〜
■発症しやすい季節 一年中
幼児のアレルギー疾患の代表ともいえるものが気管支喘息(ぜんそく)です。
赤ちゃんや新生児に限らず、気管支ぜんそくにかかると、気管支が狭まり呼吸が苦しくなります。特徴的なのは、呼吸をするときに、ゼーゼーと喉の奥の方が鳴る点です。
気管支ぜんそくの発作は、アレルギー反応(アレルギー体質をもった人の体に侵入した刺激物を攻撃したり、取り除こうとする免疫機能が、過剰に反応して起きる)、ウイルスや細菌の感染によって起こります。
気管支ぜんそくは、発作的に気管や気管支が縮まって、空気の通りが悪くなることで引き起こされます。気管の収縮が起こるので、軽く発作が起きても激しくせき込んだり、胸が苦しくなります。
軽症の場合はせき込むだけですが、症状が進むと、ゼーゼーと肩を上下させて苦しそうな呼吸をします。
息を吸うと肋骨の間がへこむ陥没呼吸(かんぼつこきゅう)が見られるようになり、呼吸困難を起こし、最悪の重症の場合は窒息や心不全で死亡することもあるので注意してください。
また、気管支喘息がすすむと、食欲が落ち、不機嫌になります。
症状がさらに重くなると、寝ていられずに座って呼吸(起座呼吸)をしなければならなくなる場合があります。
特にせきの発作は、夜中から明け方に起こりやすく、チアノーゼ(肺での酸素摂取が障害され、皮膚や粘膜が青紫色になる)を起こして、命にかかわる緊急事態になることもあります。
したがって、赤ちゃんや幼児で気管支喘息をもっている子どもの保護者の方は、深夜でも受診できる病院を必ず確認しておいてください。
この気管支喘息ですが、1才以前に正確な診断をするのは難しいとされています。ただし、喘息の疑いがある場合は、必ず一度医師の検査を受けてください。
気管支ぜんそくは、10才を過ぎるころにはだんだん軽くなり、治ってしまうことも多いのですが、一部には成人まで続いたり、一度治っても成人後に再発する場合もあります。
気管支ぜんそくの原因
気管支ぜんそくは、パウスダストや動物の毛などがアレルゲンである可能性が高いと言われています。
このほかにもウイルスや細菌による風邪をひいたり、煙(たばこなど)を吸い込んで症状が誘発されることがわかっています。ですから、おうちの人がタバコを吸う場合は、特に注意が必要です。
アレルギー体質だったり、気道の過敏性が高く、ちょっとした刺激でもせきが出る赤ちゃんはぜんそくを起こしやすいといわれています。
成長が進んだ幼児では、これらの要因のほか、精神的なストレスも影響しているといわれています。
また、ぜんそくの発作は、春先や初秋など季節の変わり目で気温の差が激しい夜や明け方にかけて多く起こるということがわかっています。
気管支ぜんそくの治療と対策
気管支喘息は、アトピー性皮膚炎と同じように、10才を過ぎるころからその症状が治まる場合がほとんどです。
気管支喘息の発作が起きたときには、気管支拡張薬(きかんしかくちょうやく)の内服、吸入、点滴などの治療を行います。
発作が頻発するときは、発作が起きないように、事前にぜんそくのコントロール治療をすることが大切です。このコントロール治療には、気管支拡張薬や抗アレルギー薬の内服、ステロイド吸入などがあります。
また、気管支ぜんそくのは、ほかのアレルギー性疾患と同じように、普段からアレルゲンを排除することが大切です。
ハウスダストや花粉対策として、床をフローリングにする、家具のほこりを水ぶきする、衣類や寝具をこまめに洗うなど、子どもの生活環境からアレルギーの原因となるものを排除しましょう。
たとえば、おもちゃは、ほこりがつきやすい布製から木製やプラスチック製に替えるなど、できることからで構いません。アレルギーという視点で、お部屋環境を振り返ると、結構できることはのこっています。
また、アレルギーをお持ちのお子さんがいるお家では、ペットを室内で飼うことはおすすめできません。
気管支ぜんそくの発作がはじまったら
気管支ぜんそくの発作が始まったら、子どもにコップー杯の水を飲ませ、服を緩めて上体を起こしてください。
発作が治まらない場合は、夜間でも受診をおすすめします。そのためにも、深夜でも受診できる病院を必ず確認しておいてください。