乳児湿疹・乳児脂漏性湿疹の特徴
■主な症状 顔や頭に赤い湿疹ができる
■病気の特徴 皮脂分泌が活発になる生後1ヶ月
ごろから発症する赤い湿疹
■発症しやすい月齢 生後1ヶ月〜
■発症しやすい季節 通年
赤ちゃんの顔や体に出る赤い湿疹を総称して乳児湿疹(にゅうじしっしん)と呼びます。
乳児湿疹は、食べこぼしの汚れや汗などが原因となって、赤ちゃんの肌が赤くカサカサになる病気です。また、かゆみを伴って症状があらわれることもあります。
特に乳児湿疹のなかで表的なものが、乳児脂漏性湿疹です。
乳児脂漏性湿疹は、生後2週間くらいから1歳くらいまでの間に起こる湿疹です。比較的多くの赤ちゃんが経験する病気で、珍しいものではありません。
乳児脂漏性湿疹は、季節に関係なく症状があらわれ、皮脂腺の多い頬や口のまわり、あご、額、頭を中心に赤いポツポツした湿疹が出たり、肌がカサカサになったり、症状が進むと、皮膚がジュクジュクすることもあります。
頭皮に注意!こまめにチェックしましょう
よく赤ちゃんの髪の毛の生え際やまゆ毛などに、黄色いふけや脂っぽいかさぶたのようなものがつくことがあります。
このかさぶたのようなものが見られる状態になったものが乳児脂漏性湿疹と呼ばれています。
このかさぶたのような湿ってベタベタした皮脂のかたまりをそのまま放っておくと、それが強い臭いを発しはじめます。そして、かさぶたの部分が赤くなり、かさぶたの下に赤い湿疹が出たり、かゆみを起こすこともあります。
あかちゃんの頭皮はこまめにチェックしましょう!
さらに、このかさぶたを放置してしまうと、そのかさぶたが厚くなり、洗っても落ちにくくなってしまいます。
そうならないためにも、このような症状が起きたときは、こまめに頭皮のケアをする必要があります。
特に赤ちゃんの髪の毛の生え際は、皮脂が多いうえに、不潔になりやすく、このような症状がでやすい部位ですので日頃から注意してあげましょう。
また、同じような症状が、わきのしたやおへそのまわり、股の内側などに起きることがまれにありますので、そのような部位もこまめにチェックしましょう。
赤ちゃんだけが脂漏性湿疹になる理由
大人も赤ちゃん同様、頭皮の毛根周辺に皮脂腺があります。そして、皮脂腺は、皮膚を外部からの刺激や細菌から守るために、ここから皮脂という脂肪を分泌しています。
実は、黄色いふけや脂っぽいかさぶたのようなものは、この皮膚の上に分泌された皮脂が固まったものです。
でも、同じように皮脂腺があるのに、大人に脂漏性湿疹が出てくることはありません。
それは、赤ちゃんにだけ脂漏性湿疹が出るのは、生まれたばかりの赤ちゃんが、ママのおなかの中にいたときにもらったホルモンの影響により、皮脂の分泌が活発になるため、皮膚のトラブルが起こりやすくなるからです。
特に髪の毛の生え際やおでこは皮脂腺がよく発達しており、症状が悪化しやすい部位だということがわかっています。
また、非常にまれなケースとして、ビタミンB群の代謝異常や、皮膚に常在しているマラセチア菌というカビの一種が増えることで脂漏性湿疹が発病するということもあります。
乳児湿疹はほとんど自然に治ります
乳児湿疹も乳児脂漏性湿疹も赤ちゃんの汗腺が出来上がる生後1ヶ月ごろから見られるようになる湿疹です。
症状は、1〜2ヶ月ほどで自然に治ることが多いですが、何度も繰り返し症状が出たり、なかなか治癒しない場合もあります。
しかし、6ヶ月頃になれば症状もなくなり自然に治ることがほとんどですので安心してください。
ただし、乳児湿疹や乳児脂漏性湿疹がアトピー性皮膚炎に移行することもあるので注意が必要です。
もちろん、乳児湿疹や乳児脂漏性湿疹があまり長引くようなら、一度、病院で医師の診察を受けたほうが安心です。気になったら、必ず一度専門医の診察を受けて下さい。