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- 生後2〜3日に見られる赤い発疹 <新生児中毒疹>
- にきびのようなかゆみや痛みのない発疹 <新生児ざそう>
- かゆみや炎症を起こす乾燥肌 <ドライスキン>
- 新生児皮膚疾患の予防と治療 <乳児湿疹・乳児脂漏性湿疹>
- 赤ちゃんの皮膚にかさぶたができたときは?
- 頭頂部もしっかり洗って清潔にしてあげましょう
- ひどい症状や判断がつかない場合は医師の診断を受けましょう
生後2〜3日に見られる赤い発疹 <新生児中毒疹>
生後2〜3日くらいまでに、新生児の全身に赤い発疹が出ることがあります。
これは赤く平らな発疹で、真ん中に1cmくらいの白っぽいだ円形が見られるもので、新生児中毒疹と呼ばれています。
この新生児中毒疹は、全身をよく移動する発疹で、昨日は胸のあたりにあったのに、今日は太もものあたりに出るということがよくあります。
新生児中毒疹の原因は、生理的なものと言われています。普通は、数日から1〜2週間で自然に消えるので、治療の必要はありません。
あまり長く続くようでしたら、医師の診断を受けてください。
にきびのようなかゆみや痛みのない発疹 <新生児ざそう>
生後1〜2ヶ月の赤ちゃんの顔にできる皮膚疾患に、かゆみや痛みのない、新生児ざそうという発疹があります。
新生児ざそうになると、頬や額にちょうどにきびのようなブツブツができたり、毛穴に詰まった黒い点々が見えたり、赤い湿疹が広がったりします。また、膿が出た膿疱が混じることもあります。
この新生児ざそうはほぼ大人のにきびと同じ種類の湿疹です。
この湿疹は、新生児が、母親のおなかの中にいるときに与えられたホルモンの影響で、皮脂の分泌が盛んになったためにできるのです。
新生児ざそうの症状が軽い場合は、入浴のときに石けんでよく洗い流し、皮膚を清潔にすることで自然と治ります。
もし症状が悪化したときには、「アズノール軟膏」を塗ると炎症を抑えることができます。
かゆみや炎症を起こす乾燥肌 <ドライスキン(乾燥肌)>
空気が乾燥している冬場に、よく赤ちゃんが発症するのがドライスキン(乾燥肌)です。
実は赤ちゃんの肌は大人の肌に比べて水分量が少ないことがわかっています。
だから、冬の空気の乾燥は赤ちゃんの肌には大敵で、敏感な赤ちゃんの肌はカサカサしがちになってしまいます。
冬にある程度、皮膚が乾燥するのはしかたがないのですが、乾燥した肌のかゆみが強かったり、ひっかいて炎症を起こすような場合は肌の保湿が必要です。
赤ちゃんが入浴した後や、朝起きたときに、刺激の少ない保湿クリームを乾燥している部位に薄く塗ってあげましょう。
また、お風呂上がりには、しっかりとスキンケアをしてあげましょう。「白色ワセリン」などを薄く塗ると乾燥の予防になります。
保湿効果の高い赤ちゃん用の入浴剤を使うのも効果があります。
ただし、入浴剤が赤ちゃんの肌に合わないこともありますので注意が必要です。使ってみて、肌に合わないようなら、使用をやめましょう。
また、お風呂で使う石けんは肌を乾燥させるので、石けんの使用は必要最小限にとどめるといいでしょう。
冬は暖房などで、どうしてもお部屋の空気が乾燥しがちになってしまいます。加湿器を使ったり、部屋に洗濯物を干したりするのも予防になります。
肌をひっかいて傷つけないように深づめしない程度につめを切ってあげるのも忘れずに。
嫌がらないようならミトンをつけてもいいでしょう。
新生児皮膚疾患の予防と治療 <乳児湿疹・乳児脂漏性湿疹>
頭や顔についている皮脂や汚れは、お風呂で石けんを使って丁寧に洗えば落ちるものです。ですから、石けんをよく泡立てて洗ったあと、ていねいに洗い流しておくことが基本的な皮膚トラブルの予防になります。
また、乳児湿疹の治療薬には、ステロイドを含まない「アンダーム軟膏」などが処方され、乳児脂漏性湿疹の場合は、ステロイド薬入り軟膏や「亜鉛華軟膏」などが多く処方されます。
乳児脂漏性湿疹にならないためには、汗や汚れをこまめにふきとり、常に赤ちゃんの肌を清潔にしておくことが大切です。
食事の際に食べこぼしやよだれなどが皮膚についたときは、湿らした柔らかいガーゼなどでゴシゴシこすらず、皮膚を傷つけないように、汚れを押すようにふいてあげるとよいでしょう。
また、食事の前に口のまわりに「白色ワセリン」を薄く塗ると肌を保護する効果があります。そして食後は、ぬるま湯で絞ったガーゼでやさしくふき、うすく保湿剤を塗っておくとよいでしょう。
乳児湿疹・乳児脂漏性湿疹については、こちらのページも参考にしてください。
赤ちゃんの皮膚にかさぶたができたときは?
1日1回は入浴をして、赤ちゃんの皮膚を清潔に保ちましょう。
入浴時には、赤ちゃんの体を、刺激のない石けんを使ってきれいに洗います。頭皮に見られるふけのようなものは、ていねいに洗い流すだけできれいになります。
かさぶたになった部分は、事前にベビーオイルやオリーブオイルをたっぷり浸したコットンをあててふやかしておきます。
こうしておくと、かさぶたがはがれやすくなるので、入浴30分前くらいにふやかしておくとちょうどいいです。
かさぶたを十分にふやかしたら、お風呂でよく泡立てたシャンプーや石けんでを使ってきれいに洗いましょう。
泡が残らないようにしっかり洗い流し、お風呂からあがった後は、肌をよく乾燥させます。そして、医師に処方された外用剤を塗りましょう。
入浴しても厚いかさぶたが肌にこびりついているときは、「白色ワセリン」や「亜鉛華軟膏」をリント布に厚めにのばしてかさぶた部分にはります。
1日そのままにしておくと、かさぶたがやわらかくなって浮き上がるので、ベビーオイルやオリーブオイルをつけたコットンでやさしくふけば、かさぶたは無理なくはがすことができます。
かさぶたがはがれたあとは、その部分をよく泡立てた石けんで洗い、しっかり洗い流しましょう。
ふやかして洗ってもなかなかとれないかさぶたがあるときは、無理矢理かさぶたを取ろうとせずに、自然に取れるのを待ってください。無理に取ろうとすると、逆に赤ちゃんの皮膚を傷つけてしまうことになるので注意です。
また、まゆ毛にかさぶたができたときは、ベビーオイルかオリーブオイルでその部分をふいたあとに、「白色ワセリン」や「亜鉛華軟膏」を塗っておくだけにしておきましょう。
頭頂部もしっかり洗って清潔にしてあげましょう
赤ちゃんは新陳代謝が盛んなので、皮膚が汚れやすいものです。
赤ちゃんの頭頂部のあたりは洗うのがなかなか難しいので、適当に洗ってしまいがちです。
頭頂部を丁寧に洗わないままにしていると、頭皮の症状の悪化につながってしまいます。頭頂部のあたりも普通に洗って大丈夫ですから、怖がらずにきれいに洗って清潔にしてあげましょう。
あかちゃんもバスタイムで心身ともにリフレッシュ!
また入浴時には、かさぶた部分に多少力を入れて洗ってもかまいません。
ただし、皮膚を傷つけてしまう恐れがあるので、つめを立てたり、無理にかさぶたをはがしてはいけません。
ひどい症状や判断がつかない場合は医師の診断を受けましょう
赤ちゃんは、自分のつめで、かゆくなったかさぶたをひっかきはがしてしまうことがよくあります。
自分で皮膚を傷つけないように、つめは深づめにならない程度に、指の先端からやや内側になる位を目安にこまめに切っておきましょう。
皮膚のトラブルは症状がひどいと完治までに時間がかかりますが、根気よく毎日の入浴や外用剤などでていねいにケアすれば、だいたい5〜6ヶ月で症状はなくなります。
ただし、初期の湿疹なら家庭でのケアで十分よくなりますが、かさぶたがこびりついてひどくなったり、かゆみが出た場合、自分では症状が判断できないときは、小児科や皮膚科で医師の診断を受けると安心です。